出会った頃のMちゃんは、
教室に来ても、15分で「帰ります」って帰って行ったり
お友達と喧嘩をして「うるせー、黙れ」と言って教室のすみっこで泣いていたりしました。
あらためてですけど、私はあくまでサポーター。見守りに過ぎなくて、指導は一応やれないことになっています。
私にいったい、何ができるんだろうか?日々考えていました。
この限られた空間で、できることって本当に少ない。
やっぱり私は私らしく、お掃除。埃の断捨離。
実は、与えられたお部屋は、ほぼ倉庫 でした。埃に匂い。荷物。
「子供たちは荷物じゃねえ」
最初の頃は、子どもたちがいない時間もあり、とにかくお掃除をがんばりました。
他の先生からも、「サロンみたいになったねー」って言ってもらいました。
そのせいかな?Mちゃんの気持ちの浮沈みが、ここではあまり見られなくなりました。
そんなMちゃんですが、絵がすごく上手。
黒板に毎日描いてくれるんです。
何も見ずにささっと書いてくれた馬。

そして、なんとも幻想的な。

そして、一番大好きなのがこちら。もともと誰かが黒板にマジックでしちゃった落書きに追加したのが秀逸。

めちゃかわいい。
実はMちゃん、成績の関係で、目指していた高校を受験しないことになったんです。なりたい職業を目指す高校だったんですけどね。
絵が上手なもんだから、ある時、「絵を生かして何かしようって思わないの?」って聞いてみました。
その時は、「いや、あんま好きじゃないっす」と。
そっか、空振りだったな。
と。
それがしばらくして、受験の面接で聞かれそうなことをまとめましょうって時間で、「あなたのやりたいことは何ですか?」って質問に
「イラストレータとかの勉強」
って書いてあるではありませんか!
子供って本当におもしろいですね。すぐには形に現れなくても、ちょっとずつ潜在意識に入って行ってくれてるんですかね?
それからもう一つ、私は毎日、お弁当を持って行っています。わっぱ弁当。
ここの給食はすごく美味しくて、愛情も感じられて、他の先生はみんな給食食べてるんですけど、私は自分のためと、あと子供たちに見せたいなと思ってお弁当にしています。
子供たちは、「今日の弁当見せて」って言ってくれて、「今日は質素だから見せたくないな」って日も見せています。
そうしたら先日、
「ねえねえ、今度の日曜日、お弁当持ってピクニック行こ!」って友達と約束してるんですね。
なんかちょっと感じてくれてるのかなあ?
与えられるだけじゃなくて、自分でもやってみようと思ってくれてたらうれしいな。
他の人は気が付かない、本当に少しの少しの変化ですが、小さな幸せを感じながらのお仕事に喜びを感じています。

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