十大主星の解釈
十大主星の3つの解釈、1)本能、2)人物、3)性質について
・十大主星を活かすには、まずその星の本能を発揮すること。
・星が意味する人物とは、その星の本能を発揮させてくれる人物である。
・星の性質とは、その星の本能を発揮するときに現れるもので、人により色々な出方をする。
十大主星の本質は「本能」です。
十大主星の人物
十大主星は人物も意味しています。
それぞれの星の 本能 と 性質 を見る前に、先に見ていきましょう。
算命学の教科書には、
龍高星:育ての親
玉堂星:母親、上司、先生
鳳閣星・調舒星:子供、部下、生徒
禄存星:父親、愛人
司禄星:妻
車騎星:愛人
牽牛星:夫
貫索星・石門星:兄弟、友人
これって、いったいどういう意味があるのでしょう?
なぜ玉堂星が母親で、禄存星が父親なのでしょう?
星が意味する人物とは、その星の本能を発揮させてくれる人物です。
どういうことなのか? 本能ごとに見ていきましょう。
習得本能の星が意味する人物
龍高星:育ての親
玉堂星:母親、上司、先生
習得本能とは、自分が生じられることで発揮される本能です。龍高星や玉堂星が意味する人とは習得本能を発揮させてくれる人物、つまり自分を育ててくれる人、面倒を見てくれる人、いろいろ教えてくれる人たちです。
習得本能を発揮するためには、自分を生じてくれる立場の人物の存在が必要です。その代表が母親であり、上司や先生などです。
よく、星が意味する人物の振る舞いがその人の性質として出ることがありますが、星の本能を発揮していないのに、あなた自身が星の人物のような振る舞いをしてはいけません。あなたは星の人物ではないのです。あなたがまずやるべきことは、星の本能を発揮し、その星を活かすことです。
例えば、玉堂星は母親の星ですが、まず自分が習得本能を発揮して十分な知識や経験を積んでおかなければ、しっかりした母親にはなれないでしょう?
先生のような態度を取る前に、まずは自分がしっかり学ばなければ、偉そうなだけで中身のない先生になってしまいます。
伝達本能の星が意味する人物
鳳閣星・調舒星:子供、部下、生徒
伝達本能とは、自分が相手を生じることで発揮される本能です。鳳閣星や調舒星が意味する人とは伝達本能を発揮させてくれる人物、つまり自分が育てる人、面倒を見てあげる人、教えてあげる人たちです。
伝達本能を発揮するためには、自分が生じる人物の存在が必要です。その代表が子供であり、部下や生徒などです。
子どもや後継者を育てたいと思うのが伝達本能ですから、自分が子供のように甘えていては星は活きてきません。鳳閣星や調舒星を持っているのなら、人に甘えている場合ではないのです。まず本能を発揮して、人に教えたり楽しませたりすることを考えてください。
魅力本能の星がが意味する人物
禄存星:父親、愛人
司禄星:妻
魅力本能とは、自分が相手を剋すことで発揮される、つまり相手の心を掴みたいと思う本能です。禄存星や司禄星が意味する人とは魅力本能を発揮させてくれる人物、つまり自分を可愛がってくれる人、愛してくれる人、信頼してくれる人たちです。
父親が親としての愛情を示してくれることで、子供は魅力本能の発揮の仕方を学びます。親の愛がないまま育つと、大人になってから「愛されたい」という本能が上手く発揮されず、異性関係が乱れやすくなることがあります。すると魅力本能を発揮する相手が愛人になってしまいます。
陰星の司禄星が魅力本能を発揮するとき「自分だけを愛して欲しい」という独占欲を生み出すことがあります。男性は、自分だけを愛して欲しいと思う女性を妻にしたいと思います。そのためには、しっかりと相手の心をつかんで、結婚した後も妻を大切にしなければなりません。
攻撃本能の星が意味する人物
車騎星:愛人
牽牛星:夫
攻撃本能とは、自分が剋されることで発揮される、つまり相手に心を奪われたいと思う本能です。車騎星や牽牛星が意味する人とは攻撃本能を発揮させてくれる人物、つまり自分が夢中になったり、憧れたり、尊敬したり、愛したりする人たちです。
女性は「この人は頼りになる」と思う男性を夫にしたいと思います。もし夫が頼りなかったり、尊敬できない人だったりすると、しっかり頼れる男性を他に求めるかもしれません。すると攻撃本能を発揮する相手が愛人になってしまいます。
守備本能の星が意味する人物
貫索星・石門星:兄弟、友人
守備本能とは、自分と同じ立場の人との人間関係を通して発揮される本能です。貫索星や石門星が意味する人とは守備本能を発揮させてくれる人物、つまり人間関係を通して協調性を育んでくれる兄弟や友人です。
貫索星は人間関係の中で自立することで、石門星は仲間とわかりあうことで守備本能を発揮します。
では、それぞれの星の 本能と性質についてです。
貫索星(かんさくせい 木 陽)
陽木・甲 を基調としています。
守備本能の星
この星の本能は、自分のペースを守りながら、安易な妥協はせず、人との争いを避けながら、さながら大地のように長い年月をかけて生長し、独りで悠々と、自らの目的を成就していく人。
旺盛な生命力があって、新しいことを始め、万物を生み出してそれを繫栄させながら、その立ち居振る舞いは、「木徳」(仁徳=守備本能)にかなって、穏やかで暖かく、しなやかで古いものを新しくしていく。
この星の性質のあらわれ方は、独立心、一貫性、頑固、保守的です。
この星の素質が、時として、自我心が強く、頑固で意地っ張りな、分らず屋と見られることがありますが、本能を輝かせるために、様々なあらわれ方をします。
本人は、人を攻撃したり、あるいは言葉巧みに取り入っては裏で人を陥れたりするようなことは決してせず、平穏で安定した平和な一生を望みます。
石門星(せきもんせい 木 陰)
陰木・乙 を基調としています。
守備本能の星
この星の本能は、群れをなして、横の結びつきを重んじ、集団で協力しながら、清濁併せ飲む和合と協調によって、組織的に物事を進め、自らの意思を貫く人。
この星の性質のあらわれ方は、協調性、共感、反骨精神、思い込みです。
この星は、人と群れをなす政治家や、対等な立場での横の団結を重んじようとする組織の活動家に向いていますが、上下関係に対する心づかいがないままに自分の自我を通そうとする傾向があり、物事を広く現実的に考える反面、深さと理想に面があります。
鳳閣星(ほうかくせい 火 陽)
陽火・丙を基調としています。
伝達本能の星
この星の本能は、活力に満ち、明るく中正公平で暖かい心とゆとりを持って、何の不自由もなく、その日その日を自由自在に安心して、自然体で生活を楽しみながら生きるとされています。
そして、一生食べるのに困らない「食禄の星」とか「美食の星」とか、「快楽の星」との解説も生まれます。
誰かを助ける 教える 楽しませる星であり、芸術や報道の世界で能力を発揮する働きがあるとされている。
この星の性質のあらわれ方は、おしゃべり、グルメ、神経質、感受性です。
調舒星(ちょうじょせい 火 陰)
陰火・丁を基調としています。
伝達本能の星 陰のため 相手の事情や能力に合わせて相手の役に立つことで輝きます。
この星の本能は、火の暖かい心を持ちながらも、常に心の内で陰気が陽気を突き上げ、外向性と内向性、積極さと消極さなどの陰陽の二気が葛藤していて、家庭では女性なら夫にたてつき、社会的には旧勢力に抵抗して改革を迫ります。
この星の性質のあらわれ方は、気遣い、社交性、執念深さ、子供っぽさ、空想とロマンに境地です。
反骨精神を養って、人間が練れてくるかどうかで、性質のあらわれ方が大きく変わります。
禄存星(ろくぞんせい 土 陽)
陽土・戊を基調としています。
「土」の色は黄、東西南北、春夏秋冬の全てを結び付けてその真ん中に位置し、四方・四季の全ての性質を自らの内に宿しています。
この星の本能は、自分自身が堅実に生きること。周囲からの信頼を得られることで輝きます。
精神が充実して、金銀財宝が家の中に満ち溢れています。仁義礼智の四徳を全て兼ね備え、この四徳を最大限に発揮した時、それは大きな魅力となって人を惹きつけます。
万物を包み育て、広く公平に人を愛する「財運の星」、「回転財の星」と言われます。
この星のあらわれ方は、親切、商売上手、かまってちゃん、おせっかいです。
司禄星(しろくせい 土 陰)
陰土・己を基調としています。
魅力本能の星 相手を剋す 相手を夢中にさせる 好かれる 信頼される
この星の本能は、親切にして認められたい
周囲の信頼を得られるよう堅実な生き方が大切です。何をするにも人を裏切るようなことはせず、真面目に取り組むとこの星の本能が輝きます。
この星のあらわれ方は、場合によっては、まじめ、堅実、ケチ、強い執着心 となることがあります。
車騎星(しゃきせい 金 陽)
陽金・庚を基調としています。
攻撃本能の星 攻撃本能=義
義は、宇宙の法則を守り、それを後世に伝えるための戦いです。
規範に従って新しい形に変革する働きを表しています。また、ピシッと引き締まって誤りを許さず、強直で乱れを知らず、鋭く清らかで、冷たく殺気さえあります。
この星の本能は、自ら積極的に行動して責務を果たそうとすることで星が輝きます。
直情の持ち主であり、精神的にも肉体的にも更新を求めて休息のない行動的でスピーディな「動」の人です。
この星のあらわれ方は、行動力、潔癖症、攻撃的、自分勝手
激しい競争と排除の応報の中で、自らの孤影を発見することもある。
牽牛星(けんぎゅうせい 金 陰)
陰金・辛を基調としています。
攻撃本能の星
この星の本質は、組織の秩序を尊重しながら責務を果たそうとすることで星が輝きます。
何よりもまず、規則や規格通りに動くところに特徴があります。
この星のあらわれ方は、プライド、責任感、まじめ、威圧的 です。
龍高星(りゅうこうせい 水 陽)
陽水・壬 を基調としています。
習得本能の星
水は無為自然に低きに流れて、万物に潤し育てます。水の時は冬、その徳は智、物事を正しく把握して道理に従って物事を処理します。そして、伝統を重んじつつ革新の心を忘れない「習得のエネルギー」に支えられています。
どんな人々の間やどんな社会にもすんなり溶け込んで、人々を和ませます。
陽水の壬 ですから、静かに家の中で読書して知識を得るよりも、むしろ物事の本質を正しく知るために、未知の世界を自ら直接見て、体験し、そこから新しい知識を生み出し、新しいものを創造し、事態を改革していきます。
この星の性質のあらわれ方としては、新しもの好き、飽きっぽい、創造性、表現力です。
若くして海外に留学するとか、商社マンとして海外で名を上げるなどした結果、家族や肉親から遠ざかるという解釈にもつながります。
玉堂星(ぎょくどうせい 水 陰)
陰水・癸を基調としています。
習得本能の星
この星の本能は、陰の知、つまり受け身で調整型の精緻で繊細な澄み切った知です。また、状況をよく見て、原理原則に基づいたいろいろな計画を立てることを表します。
龍高星同様、いかなる状況や環境の下でも、待ちの調整型の無理のない自然な生き方をして、人々を潤します。
この星の性質のあらわれ方は、好奇心、保守的、母性、世話好きです。平和で安定した静かな社会と家庭を求めます。
学者の星とも言われます。
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